芸人さんの上下関係

最近発売されたライセンスのzeppツアーのDVDをレンタルしてきました。

まだ1回しか見てないのですが、もちろんこの中に漫才やコントが入っているのですが、印象的だったのはライセンス2人よりも一緒に回ってる後輩の芸人さんたちでした。

途中で、リハーサル映像などが流れるのですが、この後輩さんたちはとても楽しそう。織田裕二のモノマネをしたり、途中でライセンスにちょっかいをいれてみたり・・・


その芸人さんたちというのは、ラフ・コントロールカナリア、アームストロング、三瓶さんです。
このうち三瓶さん以外はいまAGE AGE LIVEに出演している、いわゆるAGE AGE芸人と呼ばれる人たちです。

で、このAGE AGE芸人と呼ばれている人たちについて考えてみたんですけど、この人たちいい意味で先輩後輩関係がないのです。例えば上の芸人さんでいくと、カナリアが一番先輩かな?でもカナリアは先輩!という感じはしません。ボンさんのキャラがそうさせるのかどうかは分からないのですが。

ダイノジの大谷さんは、M−1はキンコン世代に代わったというようなことを書いてますが、この世代から芸人の上下関係のあり方が変わって来た気がします。
例えば上の世代のダウンタウン。特に松本さんなんですが、彼はいつも後輩を引き連れているイメージがあります。そこにはちゃんと上下関係が成立しています。そして、それは番組にも影響しているとおもいます。特に木村祐一さんや千原ジュニアさん、ココリコ、ライセンスと共演するときは、ダウンタウンに逆らうな!というような強烈なオーラが存在していると思います。まあ、上下関係がきちんと存在している、先輩は後輩に逆らうな!というオーラの中で楽しむのがダウンタウン流だったのでしょう。
ただ、今それをやられても嫌悪感しかないんですよね。いじめてるようにしかみえない。時代の流れなんでしょうかね。

時代はダウンタウンから確実に次へと流れてると思います。私は次のお笑いの潮流を作るのはちょっと前までチュートリアルとかブラマヨとか、だと思ってました。でもこの世代(大体1975年前後生まれ)は、違うと思います。この世代はまだ上下関係というものが存在しています。「先輩に後輩は逆らうな!」という圧力がなんとなく漂ってます。よく後輩を引き連れてどこどこいった、とか、○○軍団という名称ももよく聞きます。そこにフェアな関係は存在しません。だから、バラエティとかで仲良く共演しているようにみせても、上下関係は存在するし、暗黙の了解みたいなものもあると思います。つまり、やってることはダウンタウンといっしょです。まあ、全然違うタイプのひともいますけどね、フットボールアワーの岩尾さんとか。余談ですがヨシモト無限大でやってる「岩尾軍団」オーディションはおもしろいです。

んで、AGE AGE芸人たち(1980年前後生まれ)は、この上下関係のあり方が違う。舞台では上下関係がほとんどないのです。裏では例えば「ジュース買ってきて」「はい」というような関係は存在するのかもしれませんが、表では一切そんな感じをみせない。みんな平等だしお互いを尊重してる。というより、先輩だろうが後輩だろうがお互いを認め合い尊重しあう、そんな関係性がAGE AGE LIVEをみているとみえます。だって、先輩を平気でいじったりする。なぜ、そんなことできるのかというとそこには信頼関係が存在しているから。だから、いわゆる○○と飲みに行ったというような「内輪ノリ」も聞いててそんなに嫌いじゃない。あとは同世代っていうのもあるのかもしれませんけどね。
繰り返しになりますが、ダウンタウンの手法はもう時代に合わなくなってきています。規制も厳しくなってきるしね。そしてダウンタウンのはっきりとした上下関係というものがなくなって次はなにがくるのか考えると、これとは逆の発想、つまり上下関係の否定、フェアな関係です。このような関係をもとに今後のお笑いが変わってくるのではないだろうか。
だから、ダウンタウンのように新しいお笑いを作り出すのは何年後かは分かりませんがこのAGE AGE芸人たちだと思います。

ヨシモト無限大ホールは今やって無限大トークを12月で終了させて、シチサンライブを来年1月からスタートさせます。シチサンライブはAGE AGE芸人何人かでトークやゲームしたりするものです。もしかしたら、吉本は時代の変化を敏感に読み取ってこのライブをスタートさせるのかもしれません。